代打の一振りが、明徳義塾を6年連続の夏の甲子園へ導いた。

 8回に6点を奪われ、5点差を逆転された。9回2死一、二塁。代打の西村はカウント1ボール2ストライクまで追い込まれた。

 4球目。高め外よりに浮いた直球を振り抜いた。打球は右中間を深々と破る。再逆転となる2点三塁打。百戦錬磨の馬淵監督もベンチ最前列まで飛び出し、両手を突き上げた。西村は「何も覚えてない。気がついたら三塁にいた」。

 今大会初打席だった。監督は「朝の打撃練習で調子が良かった」と託したが、「あの状況で普通は打てんよ。背番号20やけど、甲子園もベンチに入れたらんといかんね」。5年連続で同一カードとなった高知大会決勝。そして、明徳義塾が5年連続で1点差勝利を収めた。(朝日新聞)

 ◆明徳義塾 1976年(昭51)創立の私立校。生徒数762人(女子197人)。野球部も同年に創部で、部員数は155人。甲子園出場は春は15度、夏は17度目で、02年に全国制覇。主なOBはヤクルト森岡良介、プロゴルファーの松山英樹、横峯さくら。所在地は高知県須崎市浦ノ内下中山160。吉田圭一校長。

◆Vへの足跡◆

2回戦4-1土佐塾

準々決勝4-1岡豊

準決勝9-1高知西

決勝7-6高知