走攻守で沸かせるナイジェリア人の父を持つ関東第一(東東京)のドラフト候補、オコエ瑠偉外野手(3年)が18日、東海大相模(神奈川)小笠原慎之介投手(3年)の決め球、「内角直球打ち」を誓った。今日19日の準決勝に向けて、大阪・豊中市で調整練習。ドラフト1位候補左腕と真っ向勝負する考えを明言した。

 うだるような暑さの中、関東第一・オコエは黒のタンクトップ姿で、筋肉で覆われた肉体をさらけ出した。木製バットでティー打撃、さらに着替えフリー打撃に臨む。東海大相模の左腕小笠原、右腕吉田対策に、左右の投手を均等に打ち分け、32スイングで安打性の当たりは15本。清宮フィーバー級のテレビカメラ7台、女子アナを含む約50人の報道陣が見つめる前で、終始リラックスムードで約2時間の練習を行った。

 東海大相模のエースは、ドラフト1位候補左腕の小笠原。「小笠原はインコースを直球でついてくる。その球をしっかりと打ちたい」と、相手の決め球に対して真っ向勝負を挑む考えだ。昨秋まで苦手だった内角球だが、前日17日の準々決勝興南(沖縄)戦では、内角低めの直球を左中間スタンドに運ぶ決勝2ランを放ち、自信を深めた。

 小笠原とは、開会式で初対面。会話を交わし、「強気な発言があった」と投手としての本能を読み取った。「強気だから、打った同じボールで攻めてきたり、読み合いになる」と引き締めた。打撃マシンでは吉田の縦スライダーを見極める練習も行い、「絶好調です」と対策は万全だ。

 大阪入り後、鋼のような肉体は体重86キロをキープする。現在は外出禁止だが、1度あった自由時間ではたこ焼きをほおばった。「中がトロトロで、東京のみたいにパサパサしていない」とおかわり。次の夢はUSJで遊ぶことで「優勝したら、おねだりします」と笑った。練習後は少年ファンに囲まれ、覚えたてのサインを次々書き込んだ。日に日に注目度が上がるオコエが、今大会最大のヤマ場に挑む。【前田祐輔】