昨春準Vの加茂暁星が11-1の6回コールドで村上桜ケ丘を破った。エース右腕の真保龍聖投手(3年)が5回1失点と快投。3回に村上桜ケ丘の赤沢裕斗投手(3年)から大会第1号のソロ本塁打を浴びるも、今春から解禁された2段モーションの新フォームで、2安打無四球に抑え込んだ。新発田中央は10-0で佐渡総合に5回コールド勝ち。公式戦初登板の小林香佑投手(2年)が5回2安打無失点、8奪三振の好投を見せた。

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圧巻の公式戦デビューだった。新発田中央の2年生右腕・小林は立ち上がりからテンポよく投げ込んだ。「コースを意識して直球を投げた」とコーナーを攻めて1回表の先頭打者から5者連続空振り三振。2巡目からはスライダーを決め球にバットを空転させた。

「緊張しました」。前日に野沢和希監督(28)に告げられたという先発マウンド。心拍数は上がっていた。5回裏に打線が爆発し、一気に9点を奪ってコールド勝ちしたが、4回までは1-0の接戦。「我慢して投げた」と苦笑い。本来は内野ゴロを打たせるタイプで三振は意識していなかった。硬さを実感しながらも、丁寧に両サイドを突いた結果、「自然と三振が取れた」と話す。

高校で背番号「1」を背負うのは初めて。昨秋は正二塁手でスタメンだった。投手も兼任していたが、出番はなし。新発田中央には経験値の高い左腕大矢隼輝(3年)がいる。野沢監督は「小林は『自分なんか』と遠慮するタイプ。主戦なんだ、と理解させたかった。そして上級生には奮起してほしい」と、本人と周囲への起爆剤としてエースに指名した。

春の初戦でその期待に応えた。「次は切り替えて、思いきり腕を振っていきたい」。大黒柱の自覚が芽生えてきた。【斎藤慎一郎】