昨春準Vの加茂暁星が11-1の6回コールドで村上桜ケ丘を破った。エース右腕の真保龍聖投手(3年)が5回1失点と快投。3回に村上桜ケ丘の赤沢裕斗投手(3年)から大会第1号のソロ本塁打を浴びるも、今春から解禁された2段モーションの新フォームで、2安打無四球に抑え込んだ。新発田中央は10-0で佐渡総合に5回コールド勝ち。公式戦初登板の小林香佑投手(2年)が5回2安打無失点、8奪三振の好投を見せた。

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打たれても動じないメンタルが備わった。真保は、3回表に村上桜ケ丘・赤沢に大会第1号となる先制ソロを許したが、「特には」と気にするそぶりも見せなかった。「いつも通り打たせていくような感じで。真っすぐでも、変化球でも打たせて取れたと思う」。終わってみれば、5回を2安打無四球3奪三振で1失点。本塁打以外は、二塁も踏ませない完璧な投球だった。

この冬に手にした新フォームで初戦に臨んだ。2段モーションが今春から解禁されることを知り、すぐに取り入れた。「やってみようかなと思って。1回練習で投げたら、すごく球が良かった」。興味本位で始めた新フォームが、真保の投球の型に合った。

効果もあった。「2回足を上げた方がバランスがいい」。右足でしっかり立ち、安定したフォームで投げ込むことで、制球力がアップ。加えて「勢いもつく」と昨年は最速134キロだった直球も4キロアップの138キロまで上がった。試合後には、「2段モーションの方がいいかなって思うので、このまま行きます」と納得の表情を見せた。

昨年の悔しさをバネにする。2年生エースとして臨んだ昨春は準Vで、夏は準決勝で敗れた。「今年こそは夏で決勝に行って、勝って甲子園に行けるように。まずはこの春で優勝を目指して、全員で戦っていきたい」。真保の高校ラストイヤーの戦いが始まった。【大島享也】

 

○…村上桜ケ丘のエースで主将の赤沢裕斗投手(3年)が新基準バットで大会第1号本塁打を放った。加茂暁星・真保の内角高めに抜けてきたスライダーを思いっきり振り抜き、左翼フェンスを越した。試合には敗れたが、「飛ばないと言われている中で、打てたのはうれしい」と公式戦初の本塁打を素直に喜んだ。