高校野球の練習試合が8日に解禁され、今春センバツ(20日開幕、甲子園)に出場する木更津総合(千葉)は、鎌倉学園(神奈川)に12-6で勝利した。昨秋の神宮大会後に腰を疲労骨折し、調整が遅れていたプロ注目左腕・早川隆久投手(2年)が、先発して2回を無安打無失点と好投。2月中旬から投球練習を再開したばかりのエースは「腰の痛みもなく、試合で投げられてホッとした」。外野に1球も飛ばされず、本番に向けて好発進した。

 「マエケン投法」で進化した直球を見せつけた。初回、先頭打者を外角ストレートで空振り三振。その後も相手は完全に振り遅れ、凡打の山を築いた。リハビリ中、憧れのドジャース前田が、KAT-TUN亀梨和也に球速アップを指導するテレビ番組の動画を見た。「踏み出す足を、真っすぐではなくて少し内側に向けるとアドバイスしていた」。左腕の早川は、接地する右足の位置を変えるフォームに修正。腰が完治した2月22日からは3日連続で100球を投げ込み、体に染みこませた。

 パワーアップしたエースは、左手中指のマメがつぶれた状態でも鎌倉学園を圧倒した。「(新フォームの完成に)たどりつくまで長かったけど、感覚は悪くなかった。捉えられることもなかった」と手応えをつかんだ。自己最速は142キロも「最近は測っていないけど、速くなっていると思う。甲子園が楽しみです」と不敵に笑った。昨秋の関東大会優勝に導いた早川が、好左腕がそろう聖地でも大暴れする。【鹿野雄太】

 ◆早川隆久(はやかわ・たかひさ)1998年(平10)7月6日、千葉県生まれ。上堺小1年からソフトボールを始める。横芝中では軟式野球部に所属。一塁手兼投手。木更津総合では1年秋に背番号「10」でベンチ入り。昨春センバツは2試合に先発して1勝。178センチ、72キロ。左投げ左打ち。家族は両親と姉2人。