第98回全国高校野球選手権(8月7日開幕、甲子園)西東京大会で、聖徳学園のプロ注目左腕、長谷川宙輝投手(3年)は、6回1安打11奪三振の好投で初戦を突破した。

 聖徳学園の長谷川が、11球団20人のスカウトに奪三振ショーを披露した。140キロ前後の直球と切れ味抜群のスライダーで、初回先頭から6者連続三振。5回1死まで無安打に抑えた。直球の最速は広島のスピードガンで143キロを計測。「人がたくさん見ている中で投げるのは初めてで緊張したけど、狙って三振が取れた」と笑顔を見せた。

 地道な「3カ年計画」が実を結んだ。入学時は球速120キロ程度で体重は50キロ。スライダーに素質を見いだした中里英亮監督(49)は長谷川に言った。「プロに行くぞ」。2人で目標を立てた。「1年生で体をつくり、2年生で雑誌に載る。3年生で常時140キロ前後を出してスカウトに注目される」。広島野村も明大時代に通った体幹トレーニングジムで鍛えた。空のペットボトルを頭に乗せ、左足1本で立つ練習に1日を費やしたこともあった。体重は74キロに増え、制服のサイズはSからLになった。

 落ちるスライダーは、楽天松井裕を参考に磨きをかけた。この日も5失策と課題の守備が乱れたが、無四球11奪三振で救った。明日13日の3回戦の相手は昨夏4強の国学院久我山。「次も抑える自信はある」と力強かった。【鹿野雄太】