昨春の甲子園(センバツ大会)に初出場した大曲工が、チーム初になる夏の甲子園出場に王手をかけた。前日22日の準決勝までチーム打率1割8分5厘(3試合で92打数17安打)。阿部監督は同3割2分の相手打線に対して3投手の継投を決断。“三本の矢”がそれぞれの的を射抜いた。同監督は「投手3人がよく粘って投げてくれた」とプラン通りの継投を振り返った。

 “一の矢”に指名されたのは今季公式戦初登板、初先発の佐々木優斗(3年)だった。昨秋の新チーム移行後はエース番号を背負って県大会出場。だが今春は、地区大会前に右肩を痛めて戦線離脱。背番号10で夏の大会に間に合った。

 “二の矢”の鈴木理公(3年)は4回から救援。今夏1番を背負い、初戦の増田戦で3安打1失点完投。この日も中盤2回を3安打無失点に抑え、「頑張っていればチャンスはくる」と粘りを見せた。

 “三の矢”の藤井黎来(2年)は2点を先制した直後の6回裏から救援。残り4回を4安打無失点に抑え、春まで1番を背負っていた実力を示した3年生2投手をカバーした藤井は「絶対抑えるつもりでした。次は最初から投げて勝ちたい」と、明日25日の決勝戦へ意欲を見せた。【佐々木雄高】