粘りの投球が実った。4-0の7回、2死一、三塁。これまで3安打の酒田光陵・村上に対し、鶴岡東・吉住晴斗投手(2年)は「甘いコースを打たれていた。思い切り腕を振って投げた」と気合を込め、スライダーで二ゴロに打ち取った。7回無失点。自身の投球で東北大会出場をたぐり寄せた。

 大会では、4試合に登板し18回を無失点、22奪三振と圧巻のパフォーマンスを披露した。課題の制球力を高めるため、甲子園後に走者なしでもセットポジションで投げるようになった。「速球も変化球も、低めに投げられるようになった」と手応えをつかんだ。吉住の成長に、佐藤俊監督(45)は「走者を出してもボールが荒れなくなった。粘り強かった」と評価した。

 チームは、8安打7得点でコールド勝ち。3年連続の東北大会出場を決めた。佐藤監督は「今後の練習試合などによってはエースもあり得る」と、吉住の背中を押す。一回り大きく成長した背番号10が、次のステージでも存在感を示す。