来春センバツの21世紀枠推薦46校(北海道除く)が決まった。12月13日に北海道を含む9地区の候補を決め、来年1月24日の出場校選考委員会で3校が決まる。

 【北海道】13日に発表。秋16強は駒大苫小牧、札幌大谷、東海大四、白樺学園、苫小牧中央、札幌南、網走桂陽、旭川大高、天塩、旭川明成、岩見沢緑陵、函館商、札幌静修、函館大有斗、釧路明輝、帯広三条。

 【青森=青森】県4強。青森市内にある屈指の県立進学校で文武両道を実践。21世紀枠への推薦は02年と05年に続き3回目。1903年創部。学校周辺や青森市の公園の清掃を毎年行っていることも評価された。

 【岩手=伊保内(いぼない)】県8強。九戸郡九戸村にある県立校。部員11人ながら健闘。準々決勝で準優勝した久慈工に大敗も部員不足を克服する活躍と評価。OBで東農大北海道オホーツクの風張蓮投手は来秋のドラフト候補

 【秋田=角館】県優勝、東北大会8強。仙北市にある県立校。春先までグラウンドが雪で使えないなどの環境面をハンディを克服して秋の大会で健闘。今夏も準優勝。秋田商との決勝は延長15回の熱戦。また学業と部活動との両立も評価された。

 【山形=山本学園】県優勝、東北初戦敗退。山形市にある私立校。竹田裁縫女学校として発足、1987年男女共学となり現校名に。グラウンドが河川敷にあり、今年7月の集中豪雨で浸水した際には、部員が復旧作業に当たった。環境面でのハンディを乗り越えて練習を続けている点が評価された。

 【宮城=松島】県8強。宮城郡松島町にある県立校。今秋は部員15人、うち1年生12人で出場。2回戦で延長15回サヨナラ勝ち。準々決勝で強豪の仙台育英に延長10回サヨナラで敗れるなど健闘した。

 【福島=須賀川】県準優勝、東北初戦敗退。須賀川市にある県立校。平日早朝に毎日約30分、学校や周辺の清掃活動。11年夏の福島大会でも準優勝するなど好成績を挙げている。卒業生に東京五輪マラソン銅メダルの円谷幸吉氏。

 【茨城=下館第一】県8強。筑西市にある県立進学校で文武両道を実践。ごみ拾いなど地域での奉仕活動も評価された。甲子園は1959年夏に1度出場(初戦敗退)。OBに元阪神の田宮謙次郎外野手。

 【栃木=真岡】県8強。真岡市にある県立進学校。2年連続3回目の候補。1902年創部。文武両道の姿勢が評価された。サッカー部は強豪。

 【群馬=沼田】県8強。沼田市にある県立進学校。文武両道に優れ、人口減少にもかかわらず、県内大会でも近年きわめて良好な成績を収めていることが評価された。今春県大会4強、夏は4回戦進出。

 【埼玉=市川越】県準優勝、関東初戦敗退。1926年に川越商として創立、02年に現校名に。川越商時代の89年夏に甲子園出場。部員が授業で練習にそろわないなどの制約がある中、05年以降ほぼ毎年ベスト16以上の好成績を挙げている点や、通学路の清掃活動などが評価された。OBに巨人、中日でプレーした仁村薫外野手。

 【千葉=検見川(けみがわ)】県8強。千葉市美浜区にある県立校。1974年創部。夏の大会も4回戦進出するなど安定した成績を残している点と、東日本大震災でグラウンドの一部が液状化の被害を受けたが、それを克服して練習を続けてきたことも評価。

 【東京=小山台(こやまだい)】都8強。品川区にある都立進学校。1923年に旧制府立八中として創立。狭いグラウンドを他部と共用。平日は午後5時までと限られた時間での練習などの制約を克服。エース伊藤は右本格派の好投手で、今秋は堀越、早実、日大豊山の私立勢を次々と倒した。

 【神奈川=日大高】県準優勝、関東初戦敗退。横浜市にある私立校。1930年創部で春夏とも甲子園出場経験なし。27人と少ない部員による工夫した練習やチームワークの良さ評価。卒業生に元西武荒川雄太捕手(05年ソフトバンクドラフト1位指名)、俳優の神田正輝ら。

 【山梨=吉田】県16強。富士吉田市にある県立校。部員数17人で1年生主体のチームながら健闘、文武両道を実践している点など評価。甲子園には79、83、89年夏に出場。89年は16強入り。OBに西武などで活躍した田辺徳雄内野手、元日本ハム井出竜也外野手ら。

 【長野=長野西】県4強、北信越初戦敗退。長野市内、善光寺裏手にある県立校。1896年、長野高等女学校として創立され1985年から共学。前向きな姿勢で明るく元気に野球に取り組んでいる点などが評価された。

 【新潟=三条】県4強。三条市にある1902年創立の県立校。04年の水害でグラウンドが水没。厳しい環境に置かれながら練習を積み重ね今秋県大会で14年ぶりの4強入り。また野球部員の進学率が100%と文武両道を実践している点など評価。

 【富山=富山】県8強。1885年創立の県立進学校。秋季大会の好成績と学業と部活動の両立などが推薦理由。春夏通じて甲子園出場なし。卒業生に演出家の久世光彦氏、フジテレビ石本沙織アナら。

 【石川=羽咋(はくい)】県8強。1923年創立の県立校。進学校で平日の練習は約2時間と限られる中、練習中の移動の際に全力疾走するなど時間を有効活用。部活と学業の両立を実現させている点などが評価された。

 【福井=金津(かなづ)】県8強。あわら市にある県立校。1983年創立で普通科、商業科がある。部員17人ながら今秋の県大会でベスト8入りしたことが評価。春夏ともに甲子園出場なし。

 【静岡=富士】県16強。富士市にある県立進学校。野球部の全員が4年制大学進学を目指すなど学業と部活の両立、チームワークの良さと野球に真摯に取り組む姿勢。世界文化遺産に登録された富士山の地元校などが推薦理由。79年夏、87年春甲子園出場。OBに元巨人渡辺秀武投手。百人一首部は強豪。

 【愛知=高蔵寺(こうぞうじ)】県16強。1980年創立の春日井市にある県立進学校。文武両道、休日の練習前に続けている地域の清掃活動も評価。甲子園出場経験なし。

 【岐阜=岐阜工】県4強。羽島郡笠松町にある県立校。3年ぶり2回目の候補。木曽川河川敷グラウンドで、防球ネット、ベンチ、フェンスなどを部員たちで作って工夫していることや地域で清掃活動を続けている点などが評価。甲子園は1952年夏に出場。

 【三重=伊勢】県準優勝、東海初戦敗退。伊勢市にある県立進学校。文武両道の実践、限られた時間内での工夫しチームを強化しているなど評価。卒業生にタレントの楠田枝里子、俳優の小倉久寛ら。

 【滋賀=八日市】県4強。近畿初戦敗退。東近江市にある県立進学校。2年連続の候補。文武両道が評価。1953年夏の甲子園出場。

 【京都=西城陽(にしじょうよう)】府4強。城陽市にある府立校。文武両道を掲げ上位進出する公立の強豪校。校風、品位、技能においても他校の模範となることなどが評価。卒業生に俳優の玉山鉄二。

 【奈良=香芝(かしば)】県4強。香芝市にある県立校。奉仕活動への参加など地域との結びつきを大切にしている、メンタルトレーニングの導入など練習に工夫した練習など評価。春夏とも甲子園出なし。

 【和歌山=海南】県準優勝、近畿大会初戦敗退。海南市にある県立進学校。地元出身の生徒だけでチームを構成、学業と部活動に文武両道を実践している点など評価。1964年に春夏連続で甲子園出場。08年に統合した大成は春2回出場しており、直近の出場は1987年。

 【大阪=豊島】府16強。豊中市にある府立校。バッテリーを中心に守備が安定、攻撃も粘り強く私学の有力校に対抗できる点や、地域清掃のボランティア活動も評価。春夏とも甲子園出場なし。

 【兵庫=姫路南】県16強。姫路市内にある県立校。限られた環境ながら練習に工夫を凝らすなど、日ごろの活動が評価。OBに阪神黒田正宏ヘッドコーチ、元阪神切通猛外野手ら。

 【岡山=東岡山工】県8強。岡山市中区にある県立校。創意工夫した練習やJR東岡山駅周辺や学校周辺、校内などの清掃活動などが評価。卒業生にお笑いタレントの河本準一(次長課長)。

 【鳥取=倉吉東】県4強。倉吉市にある県立進学校。1913年創部の古豪で昨年に続く推薦。過去5年間、県大会で好成績を収めていながら甲子園出場から遠ざかっている、進学校で学業と部活を両立させている点が評価。エース伊藤は好投手。1988、89年春、95年夏に甲子園出場。

 【広島=賀茂】県8強。東広島市にある県立進学校。制約のある練習環境の中で好成績を残したことや文武両道の実践が評価。完全下校は午後6時半。校庭はサッカー部や陸上部などと共用し、普段から練習は3、4カ所に分かれて、筋力トレーニングや素振りなど集中して取り組んでいる。OBにオリックス海田投手。

 【島根=大東】県4強。中国初戦敗退。雲南市にある県立校。県東部の過疎地にありながら、地元出身選手だけでチームを構成。練習時間を3時間までとして学習時間を設けるなど文武両道。卒業生に元開星監督の野々村直通氏、楽天福山投手。

 【山口=熊毛南】県8強。熊毛郡平生町にある県立校。部員は地元出身中心に17人。グラウンドがサッカー部や陸上部との共用という環境ながらも、創意工夫した練習が評価。エース山本は最速143キロの好投手。21世紀枠推薦は04年以来2回目。卒業生に朝日放送の道上洋三アナ。

 【香川=坂出】県優勝、四国大会初戦敗退。坂出市にある県立進学校。四国大会では優勝した今治西(愛媛)に惜敗も指導者と部員が一体となった創意工夫した練習で成果をあげている。

 【愛媛=東温(とうおん)】県4強。東温市にある県立校。秋季県大会で35年ぶりに4強入り。全員地元中学出身、指導者と部員が一体で創意工夫した練習など評価。春夏とも甲子園出場なし。

 【徳島=池田】県4強。四国大会準優勝。三好市にある県立校。昨年に続き2回目の候補。狭いグラウンドで練習時間も短いなどの困難を乗り越え四国大会準優勝。春夏ともに甲子園優勝経験がある、春は1987年、夏は92年以来、出場から遠ざかっている。

 【高知=高知東】県4強。高知市内にある県立校。02、08年に続き3回目の候補。部員14人、グラウンドは他部と共有、今夏までは改修工事でフリー打撃もできない厳しい環境を克服したことなど評価。

 【福岡=小倉】県4強。北九州市小倉北区にある県立進学校。今秋戦績と学業と部活動の両立など評価。夏の甲子園を2連覇した古豪。当時のエース福嶋一雄投手は殿堂特別表彰。現役OBにヤクルト木谷投手

 【佐賀=早稲田佐賀】県優勝、九州大会8強。唐津市内にある中高一貫の私立校。2010年開校。今夏県大会準優勝、今秋優勝し九州大会8強の実力、文武両道(早大に約5割が推薦入学)、学校創立4年目で地域住民にあいさつするなど地元に親しまれるチームづくりが評価。

 【長崎=島原農】県8強。島原市にある県立校。最後まで粘り強く試合を続ける姿勢、マナーの良さなど評価。OBに元日本ハムのノーヒッター柴田保光投手。

 【熊本=多良木】県優勝、九州大会初戦敗退。球磨郡多良木町にある県立校。全校生徒約250人の小規模校で、部員34人は全て地元出身。OBに元オリックス野田浩司投手

 【大分=大分雄城台(おぎのだい)】県8強。大分市にある県立進学校。今夏、今秋ともにベスト8。進学校で練習時間が約2時間と厳しく制約される中、文武両道を実践。春夏ともに甲子園出場なし。OBに阪神安藤優也投手。

 【宮崎=宮崎南】県4強。宮崎市内にある県立進学校。文武両道で平日の練習時間は約2時間、グラウンドも他部と共有。OBに元巨人木村拓哉内野手(故人)、元巨人球団代表の清武英利氏、俳優堺雅人ら。

 【鹿児島=大島】県4強。1901年(明34)創立。奄美市にある県立校。練習試合の相手に恵まれないなど離島のハンディを抱えながら今春と秋の県大会で4強の好成績。部員23人。

 【沖縄=知念】県8強。島尻郡与那原町にある県立校。2年ぶりの推薦。3学年合わせて100人超の部員は全員が地元中学出身者。ごみ拾いなどボランティア活動にも取り組む。