<高校野球栃木大会:宇都宮工2-1石橋>◇15日◇2回戦◇栃木県総合運動公園野球場

 プロ注目の宇都宮工・星知弥投手(3年)が好リリーフの活躍で、初戦を苦しみながらも突破した。

 2点リードで迎えた6回表。2失策から1点を返され、なお2死二塁、一打同点の場面で先発の尾島孝秋投手(3年)からスイッチされた。「三振を狙った」とスライダーで狙い通りの三振を奪い自然とガッツポーズ。笑みがこぼれた。

 県内NO・1投手は大会前はなかなか調子が上がってこなかった。180センチ、78キロから繰り出す最速146キロの直球が魅力だ。球種もカーブ、スライダー、フォークの3種類。直球を中心に変化球を織り交ぜ力強く腕を振る。しかし疲労からフォームのバランスを崩した。あえてキャッチボールすらしない日を作り、ランニング中心のメニューにするなどの工夫をした。「今投げても悪い方向にいくだけ。走ってキレを出す」と試行錯誤して大会に臨んだ。

 「納得いく直球はなかった」と言いつつもスカウト陣のスピードガンでは最速145キロを計測した。「そんな球速が出ているとは思わなかった。低めへのコントロールを良くしないといけない」と、投球内容に満足はしていなかった。注目右腕は自らを見失うことはない。【細江純平】