<秋季高校野球北海道大会:駒大苫小牧2-1北海道栄>◇17日◇室蘭地区Aブロック代表決定戦◇苫小牧市営緑ケ丘

 駒大苫小牧が北海道栄を下し、2年連続13度目の全道出場を決めた。公式戦3戦目の登板となった菊地翔太(2年)が北海道栄の強力打線を5安打に封じ、接戦を制した。「後半はいつもバテるけど、自分に任されたので気持ちが入っていた」と初完投勝利に笑顔を見せた。佐々木孝介監督(26)も「スタートは5、6回で交代と考えていたけど、思ったより良いピッチングで、交代する機会を失っちゃいました」とたたえた。

 同姓同名の先輩がいなければ野球はやっていなかったかもしれない。楽天田中の1学年下で、06年夏甲子園準優勝メンバーにも菊地翔太投手(当時2年)がいた。決勝2試合を含む3試合で先発。当時、苫小牧沼ノ端小4年だった菊地はテレビで観戦し、「自分と同じ名前だ」と気になった。野球を始めるきっかけとなり、小学5年の時には苫小牧市営緑ケ丘で試合を観戦。「同じ菊地翔太です」とあいさつして握手をしてもらったという。その時から「自分も甲子園に行きたい」との思いが一層強くなった。

 先輩たちのあだを討つ。前チームは3季連続決勝で北照と対戦。春は優勝したが、甲子園出場が懸かった昨年秋と夏は涙をのんだ。菊地は「2回負けて悔しかった。もう1回リベンジしたい。優勝だけです」と力を込める。9年ぶりのセンバツへ-。7年前は同姓同名の先輩が聖地で投げる姿を自分に重ねていた少年だった。今度は自分自身が聖地のマウンドに立つため、チームを勝利へ導く。【保坂果那】