<秋季高校野球福島大会:日大東北4-1福島>◇19日◇準々決勝◇天狗山球場

 プロ注目の日大東北・大和田啓亮、福島・手塚周(ともに2年)が投げ合った試合は、日大東北が制した。

 プロ2球団のスカウトが見守った好右腕対決は、日大東北・大和田に軍配が上がった。初回に1失点も「打ってくれると信じていました」と慌てない。4回1死満塁のピンチでは後続を投ゴロ、三ゴロに仕留め、その後は三塁を踏ませなかった。自己最速にあと1キロの144キロを計測。巨人榑松スカウトを「馬力と腕の振りがいい。このまま大きくなれば沢村のようになれる」とうならせた。

 18日の東日本国際大昌平戦を117球で完投したのに続く120球完投。大和田は初の2連続完投に「疲れました」とポツリ。だが、今日20日の聖光学院戦も投げるつもりだ。今春、夏の県大会で敗れた相手だけに「三度目の正直。今日の夜しっかり調整し、ベストな状態で臨めるようにしたい」と3連投へ意気込んだ。

 福島の手塚も7回6安打3失点で敗れはしたが、直球と変化球を織り交ぜて好投し、スカウトに好印象を与えた。ソフトバンク作山スカウトは「肘の使い方が抜群」。巨人榑松スカウトも「変化球でも腕の振りが変わらない。楽しみ」と期待を寄せた。1回戦から2日連続完投で計230球を投げ、この日は110球。試合後は涙を浮かべながら「詰めが甘い。連投でも何球投げてもベストパフォーマンスが出来る強い投手になります」と前を向いた。