<高校野球春季関東大会:霞ケ浦9-2横浜>◇18日◇2回戦◇横浜スタジアム

 最多9回の優勝を誇る横浜(神奈川1位)が、春秋通算44回目の出場で初のコールド負けを喫した。先発の伊藤将司投手(3年)が6回0/3を9四死球の大乱調。リリーフした投手陣も打ち込まれるなど、7回だけで7失点し、2-9で霞ケ浦(茨城2位)に大敗した。

 常勝軍団らしからぬ失態だった。横浜が霞ケ浦に7回コールド負け。選手たちはスタンドに向かって深々と頭を下げ、うつむいたまま即座にバスへ乗り込んだ。横浜スタジアムも異様な雰囲気に包まれ「横浜どうしたんだろう…」と、心配する声が聞かれた。

 関東大会は春秋合わせて44回目の出場。春は最多の6回、秋も3回優勝している強豪が同大会初のコールド負けで姿を消した。渡辺元智監督(69)も「昨日ちょっと雷を落としてね。朝からどうも元気がないから、もしかしたら負けるかもと思ったが。まさかコールドとは…」と、驚きを隠せない様子だった。

 初回。エース伊藤が先頭打者に右前打され、後続に3四球。押し出し四球で先制点を献上すると、5回にも押し出し四球で追いつかれた。4回7失点した今春のセンバツ以降、背番号1は事実上の空席だった。再び1番をもらった直後の乱調に、「1カ月ぶりに1をつけさせてもらったのに…」と左腕は言葉少な。7回途中からリリーフした後続が崩れ、ドラフト候補2人を含む強力打線もわずか5安打に沈んだ。

 開催県である神奈川県勢は最多の4校が出場したが、残るのは向上(神奈川2位)だけ。指揮官は「これは神奈川の危機。ふんどしを締め直してやり直さないといけない」と、自らに言い聞かせるようにして球場を後にした。【和田美保】