<高校野球福島大会:小高工2-1安積黎明>◇20日◇3回戦◇いわきグリーンスタジアム

 小高工の「完全男」菅野秀哉(3年)が10奪三振の1失点完投。9回にはサヨナラ打も放って安積黎明を下した。

 大記録直後の試合も、菅野の独り舞台だった。1-1の9回2死満塁で打席に立ち、サヨナラ打。「ストレートを狙っていた」と、内角高めのボール気味の速球を強引に左前に運び、小高工の16強入りを決めた。

 14日の福島高専戦(2回戦)で春、夏、秋を通じ県史上初めて9回の完全試合を達成。プロが注目する本職の投球では初回に3安打を浴びて1点を失ったが、中盤から「速球が指に引っ掛かった」とギアを上げた。スライダーも切れて、6回以降の4イニングで8三振を奪った。接戦にもかかわらず、スタンドに「聖光学院(関係者)がいたので」とフォークは数球だけ、カットボールは1球も投げないしたたかさを見せた。

 明日22日の4回戦で、その聖光学院と激突する。既にエースだった昨夏、準決勝で2-8と完敗した。「完封で勝ちたい」と目を輝かせた。8連覇を狙う王者に、「完全男」は敢然と立ち向かう。【久野朗】