<高校野球秋季宮城大会:仙台育英1-0仙台西>◇1日◇1回戦◇仙台市民

 仙台育英は、来秋のドラフト候補・平沢大河内野手(2年)が8回2死から左前に決勝適時打を放ち、仙台西を振り切った。

 平沢のバットが沈黙を破った。0-0で迎えた8回2死一塁で左打席に立つと、走者の青木玲磨(2年)に「(二塁に)走っていいよ」と合図を送る。2球目のど真ん中を見送って盗塁を成功させ、続く3球目をとらえた。「高めのカットボールを逆方向に思い通り打てた」と左前へ値千金の決勝打。来秋のドラフト候補が、視察に訪れた中日山本スカウトの前で勝負強さを見せつけた。

 地区大会からの不振を脱した。4回に低めのボール球を右手1本で右前に運ぶと「今までは内野ゴロか空振りだったけど、うまく反応して打てた」と手応えをつかんでいた。平沢を1年秋から主力に抜てきした佐々木順一朗監督(54)は「責任感が強すぎて、練習では一番調子が悪かったんだけどね」と3番打者の復調に目を細めた。

 投げては右腕エース佐藤世那(せな、2年)が、3安打11奪三振で公式戦初の9回完封。5安打1得点と苦しんだチームを救った投打の柱を中心に、今日2日の東北との大一番に臨む。【鹿野雄太】