神奈川高校野球屈指の名将、元桐蔭学園監督の土屋恵三郎氏(61)が、来年から神奈川の星槎(せいさ)国際湘南の硬式野球部監督に就任することが27日、分かった。この日、大磯町の同校で選手、保護者らに、スポーツ振興室・室長から野球部監督に職務変更することを報告した。来年1月に県高野連に連盟登録する。

 野球への情熱は冷めることはなかった。昨夏限りで桐蔭学園の監督を退き「もう神奈川でユニホームを着ることはないだろう」と話していた。今春、同校に着任し、桐蔭学園時代の教え子でもある福冨監督をサポートしてきた。「星槎の子たちはエリートではない。でも、その分、うまくなりたいという気持ちは強い。ハングリーさを感じるんです」と指導者としての喜びを話していた。内外からの待望論や期待に後押しされ、新年を境に監督交代の運びになった。

 まだ創部4年目で、グラウンドはない。来年の練習始めは1月4日、同校テニスコートで行う。「目標は甲子園と言う以上に『野球が好き』という人間を育てたい。三振しても上を向いて、ダッシュでベンチに帰ってくる。諦めない、明るい野球を教えたい。神奈川の野球を、盛り上げたいんです」と話した。

 ◆土屋恵三郎(つちや・けいざぶろう)1953年11月22日、神奈川県出身。71年、桐蔭学園高の主将として甲子園初出場で初優勝。法大で江川とバッテリーを組み、大学日本代表に選出。82年に母校・桐蔭学園高野球部監督に就任、春夏10度の甲子園出場を果たす。13年夏で同校監督を退き、14年に神奈川・星槎国際湘南のスポーツ振興室・室長に就任。