第90回全国高等学校選手権記念、東・西愛知大会(6月28日開幕、7月25、26日決勝・熱田球場など)の抽選会が21日、名古屋市内の中京大学文化市民会館で行われ、出場184校(東愛知84校、西愛知100校)の4回戦までの組み合わせが決定した。東愛知の注目選手は桜丘のエースで4番・中川大志(3年)。恵まれた身体と非凡な野球センスでチームを初の甲子園に向けて引っ張る。

 愛知屈指のスラッガーにとって今大会は絶好のチャンスだ。桜丘のエースで4番・中川は「今年は僕らにとってチャンスだと思うし、高校生活2年半のすべてを出したい」と意気込む。チームは一昨年、昨年と準々決勝で敗退。最後の夏。今年は愛知から2校出場することと、私学4強(中京大中京、愛工大名電、東邦、享栄)といわれる強豪が西に集まっていることも有利な条件となる。

 昨年末から年明けにかけて行われた愛知選抜のアメリカ遠征では4番を任された。高校通算28本。「阪神の新井選手が目標。気持ちを前面に出してプレーするところがいい」と中川。新井同様に身長185センチと恵まれた身体も大きな武器。投手としても最速143キロを計測する。

 その素質にプロも熱視線を送る。広島松本スカウトは「リストが柔らかいし、右にも左にも長距離が打てる」と高く評価。楽天山田スカウトも「すばらしい身体を持っているし、日本人に少ない右の大砲に成り得る選手」と評価する。

 初戦はアメリカ遠征でともにプレーした右腕・福谷浩司投手(3年)を擁する横須賀といきなり激突する。「どことやっても同じ。最終的には甲子園でプレーしたい」。愛知の大砲が今年こそチームを初の甲子園に導く。【桝井聡】