大府公立対決制す投打で今村/東愛知大会
<高校野球東愛知大会:大府3-1成章>◇25日◇決勝
大府が28年ぶり3度目の夏の甲子園出場を決めた。今春センバツに21世紀枠で出場した成章との公立校対決で今村隆之投手(3年)が先発。投げては8回4安打1失点、打っても2安打3打点と甲子園出場の原動力となった。また、決勝後に本大会の組み合わせ抽選会が行われ大会4日目第4試合で、高岡商(富山)と対戦することが決まった。
愛知では57年ぶりとなる公立校決勝対決を制したのは大府だった。9回から2番手として登板した186センチの長身エース右腕大野彰之投手(3年)が圧巻の3者連続三振を奪うと、力強く右手を突き上げた。マウンドでは大野とベンチから飛び出してきた先発した背番号「10」の右腕・今村隆之投手(3年)はガッチリと握手を交わした。マウンドにできた輪の中で、2人はもみくちゃにされた。
優勝の立役者はメガネをかけた今村だった。投げてはキレのあるスライダーを武器に8回を投げ4安打1失点。打っても2回に先制タイムリーを放つと、4回にも2死一、二塁から左中間へ2点タイムリー二塁打を放つなど2打数2安打3打点とチームの全得点をたたき出した。今春にエースナンバーから降格した“2番手”投手が28年ぶりとなる大府の甲子園への原動力となった。
チーム内でのニックネームは例にもれず「のび太」。中学2年からかけ始めたメガネだが、「ピッチャーでメガネの選手はなかなかいない。今は目立つから良いかなと思ってます」と高校生になった今もメガネをかけてプレーを続けている。「その時は心の安定感が大野の方があった」(竹前監督)という理由で今春にエースナンバーを大野に譲ったが、努力を続けて直球の最速は144キロにまで上がるなど着実に成長。最後の夏で見事に花開いた。
投打にフル回転した裏に黒子に徹してきた今村らしい強い責任感があった。前日24日、準決勝(刈谷戦)の8回に打球を右足首に受けて打撲。それでも「最後は(エースの)大野だと思いましたが、7、8回までは自分がどうにかしたかった」。投球間に何度も見つめた帽子のツバにはベンチ入りできなかった3年生が書いた言葉とともに「絆」という大きな文字が書かれていた。東愛知大会参加校中最多の95人の部員全員でつかみ取った甲子園でもあった。
28年ぶりの甲子園でも、大野、今村の投の2枚看板を軸に戦っていくスタイルは変わらない。今村は「1戦1戦大切にして目標の全国優勝を成し遂げたい。(大野と)2人で絶対に無失点で抑えたい」と力強く話した。順調なら大会4日目(5日)の第4試合で高岡商(富山)と対戦する。愛知の公立の雄・大府が全国舞台で旋風を巻き起こす。【桝井聡】
[2008年7月26日13時58分 紙面から]
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