<全国高校野球選手権:聖光学院9-2加古川北>◇8日◇2回戦

 大応援団に支えられた加古川北が、さわやかに散った。西兵庫大会準々決勝から3試合連続で完投した岩崎誠司投手(2年)ではなく、三木健輔投手(3年)が先発。「うちのエースは三木。立ち上がりが岩崎より安定している」と福村順一監督(36)が送り出した。だが初回2死満塁から聖光学院・菅野修平外野手(3年)の右翼線三塁打や失策で4失点。2回にも2点を失い、降板。「甘いところにいってしまった」と、三木は肩を落とした。

 3回からは岩崎が登板したが、本塁打を含む7安打を浴び3失点。「力不足でした。先発は三木さんでベストでした」。3回に久保佑介捕手(3年)の左前打で1点を返し、4回に連打でつくったチャンス。村田和志外野手(3年)が左前打を放って追加点を奪ったが、後が続かなかった。西兵庫大会では6試合で計3失策と堅守を誇った守りも、5失策と乱れた。福村監督は「相手が1枚も2枚も上だった」と悔やんだ。

 加古川市の高校の甲子園出場は春夏通じて初。西兵庫大会決勝後、地元は沸いた。「加古川北高甲子園出場おめでとう!」と書かれた横断幕がJR加古川駅周辺に踊った。同校吹奏楽部と加古川西吹奏楽部が合同ブラスバンドを結成し、アルプスで熱演。「スタンドで映えるように」(桂広部長)と、生徒がオレンジとネイビーで人文字を披露した。バス10台で地元の人が駆けつけ、約3500人がエールを送った。大西光起主将(3年)は「応援が力になった」と感謝した。

 大応援団に甲子園初勝利で応えることはできなかった。だが、出場の原動力となった岩崎はこの夏で自信をつけた。甲子園デビューこそほろ苦かったが「悔しい思いはないです。また戻ってきます」と前を向いた。