<高校野球南北海道大会>◇29日◇札幌地区Cブロック代表決定戦

 札幌旭丘は9-5で恵庭北を破り、3季通じて創部52年目にして初代表となった。

 最後まであきらめない野球が勝利を呼び寄せた。「絶対に負けない。逆転してくれると信じていた」と、札幌旭丘のエース山北隆太郎(2年)は、低めに投げ続けた。5点をリードされた5回、打者一巡の猛攻で同点に追い付くと、7回に加点し勝負を決めた。終わってみれば先発全員の14安打で大勝した。

 就任して16年目の船木治監督(50)は目を真っ赤にして「最後まであきらめない粘り、つなごうという意識があった」とたたえた。進学校のため、まじめで育ちの良い生徒が多い。昨秋、チーム改革に着手した。主将を「やんちゃ」(船木監督)な大滝卓哉右翼手(3年)に変更、指導法も「脱まじめ」「放任主義」に変えた。練習中に勉強の話をする選手たちに「野球に集中しろ」と注意。選手が練習メニューを考えるようにした。

 考える野球が実った。対戦した恵庭北の好投手、峯祐二(3年)をビデオで徹底的に分析。191センチの長身から投げ下ろす直球を攻略するため、マウンドを高くし、その上にマットを敷いて角度をつけた。3安打3打点の大滝は「分析通りだった。スライダーの軌道も思った通り。分析をやって良かった。もっと強くなりたい」と話した。札幌旭丘ナインに51年で1度も足を踏み入れたことのない、南大会が待っている。