<高校野球神奈川大会>◇18日◇2回戦

 4季連続出場を狙う慶応が、逗葉を5-0で破り、鉄壁の2枚看板をアピールした。プロ注目エース白村(はくむら)明弘(3年)は登板しなかったが、2番手の明(みょう)大貴投手(2年)が7回無安打無失点、毎回の9奪三振と好投。威力ある直球と右打者外角への変化球がさえた。「今日に向けてチームを勢いにのせるために思いっきりやってきたので、チームの勝利に貢献できてうれしかった」と笑顔を見せた。

 7回まで無安打無得点。記録への期待が高まったが、アクシデントに見舞われた。数日前からむけかけていた右手薬指第1関節の皮が、4回裏の打席で右前打を放ったときに、破れてしまった。8回からは大事を取って降板。「投球に影響が表れて、スプリットや変化球が抜けてしまった。これがなければ完投もあったかもしれません」と淡々と振り返り、悔しさを見せることはなかった。

 富山出身で、岐阜出身の白村とは毎晩のように食事をともにする。「尊敬してます。白村さんには白村さんのスタイル、自分には自分のスタイルがある。自分の持ち味は変化球とストレート、どっちも決め球になる幅広い投球。自分のピッチングを出してチームを盛りあげていきたい」と二人三脚で勝ち抜く覚悟だ。

 アクシデントによる投手交代にも、上田誠監督(51)は「途中で代えたのは三宮に経験させようと思った。明の出来には満足。白村が(腰痛で)抜けていた間、1人で放っていたのが自信になったのでは」と満足そうに振り返る。

 20日の3回戦は桐蔭学園との大一番。満を持してエースを投入し、頂点への弾みをつける。