<高校野球佐賀大会>◇28日◇決勝

 伊万里農林が延長10回4-3の逆転サヨナラで佐賀商を破り、春夏通じて初の甲子園出場を決めた。

 1-1で延長へ。10回表に2点を奪われ、万事休すと思われたその裏だ。二塁打と四球で出た走者を犠打で二、三塁とした後、2死まで追い込まれたが7番打者から驚異の3連打。サヨナラ打を放った9番の清田悠也(2年)は「監督さんからは打てのサインだった。無心で振った」と興奮気味に振り返った。あと1人まで追い込まれながら、2点差をひっくり返す大逆転劇を演出してみせた。

 エース吉永圭太(3年)は「内角を攻めて、ストライクゾーンを広く使う」配球で、佐賀商打線を7回まで無失点に抑える好投で、ミラクル劇を呼び込んだ。

 昨夏、今春の県大会でいずれも準決勝で敗れた宿敵・佐賀商に最後でリベンジ。伊万里市の学校では初の夏の甲子園で勢いを見せつける。

 ◆伊万里農林

 1917年(大6)西松浦農学校として創立。52年に佐賀県立伊万里農林高等学校に改称されて現在に至る。生物生産科、食品化学科、森林工学科があり、現在生徒数は349人(女子158人)。野球部は49年に創部。春夏通じて今回が初の甲子園出場。所在地は伊万里市二里町大里乙1414。太田貞武校長。