<高校野球富山大会>◇30日◇決勝

 創部89年の歴史を誇る南砺総合高福野が、9回に4点を挙げて昨年代表の高岡商に5-4と逆転勝ちし、春夏を通じて初の甲子園切符を手にした。3点差を追う9回、長打で2点を返した1死一、二塁から8番の松本天内野手(2年)が右中間を破る逆転の2点三塁打。初めてリードを奪い、9回裏の2死満塁のピンチをしのいで逃げ切った。中山訓良監督(44)は「9回の前に奇跡を起こそうと話したら、本当に起きてしまいましたね」と会心の笑み。殊勲の松本は「人生で一番幸せ。3年生には甲子園に行ってほしかった」と喜んだ。

 ◆南砺総合高福野

 1894年(明27)富山県簡易農学校として創立。1958年に富山県立福野と改称し、2005年から南砺総合高福野となる。普通科と農業環境科があり、生徒数566人(女子290人)。野球部は1920年に創部。部員数は28人。主なOBは柔道67、69年世界選手権で軽中量級金メダルの湊谷弘。所在地は南砺市苗島443。木下晶校長。