<高校野球西東京大会>◇11日◇2回戦

 深めに守っていた左翼手がすぐに追うのをあきらめた。1回2死二塁の先制機、佼成学園の水井優三塁手(3年)がフルスイングした打球は、あきる野市民球場左翼場外に消えた。高校通算44号は推定130メートル2ラン。府中東との初戦で緊張するナインを鼓舞し、自信を取り戻す大きな1発だった。「真ん中低めのスライダー。調子を落としていて15試合ぶりかな。最初の打席でチームも自分も楽になりました」と笑顔を見せた。

 その後も右翼線二塁打、左前適時打も放って4打数3安打3打点。観戦した日本ハム今成スカウトは「トップがしっかりできてフォローが大きい。下半身でボールを捕まえるからあれだけ飛ぶ。打撃の間の取り方も見るべきものがあった」と絶賛した。「状況に応じて、1試合1発」というチームメートへの公約を守る先制弾。同校36年ぶりの夏甲子園へ7回コールド発進に大きく貢献した。