2016年のメジャーリーグ新人王が14日(日本時間15日)、発表され、ナ・リーグがコリー・シーガー遊撃手(22=ドジャース)、ア・リーグはマイケル・フルマー投手(23=タイガース)が選ばれました。ドジャース前田健太投手(28)は、残念ながら受賞を逃しましたが、その評価は両リーグの受賞者2人に遜色のないものでした。
とりわけ今季のナ・リーグの新人王争いは、例年になく、ハイレベルでした。最終候補3人の成績を並べてみても、簡単には判断できないほど、各選手の差はさほどなかったような気がします。
◆コリー・シーガー 157試合出場、打率3割8厘、193安打、26本塁打、72打点。
◆トレー・ターナー(ナショナルズ) 73試合、打率3割4分2厘、13本塁打、33盗塁。
◆前田健太 32試合先発、16勝11敗、投球回数175回2/3、防御率3・48。
BBWAA(全米野球記者協会)が選出する各賞については、新人王だけでなく、最優秀監督、MVPなど、それぞれについて特定の基準が設定されているわけではありません。その一方で、短期間の成績だけではなく、年間を通していかにチームの勝利に貢献したか、に重きを置く傾向もあります。その意味では、今回の新人王の場合、出場機会の少ないターナーではなく、実質的にはシーガーと前田の一騎打ちだったと言っていいでしょう。
もっとも、今季の場合、シーガーの成績、貢献度、印象度が抜きんでていたことは否定できません。内野手の中でも負担の多い遊撃手としてほぼフル出場し、ドジャースの中軸として残した数字は、過去数年来の新人としては傑出しています。前田にしても「新人」の領域を度外視しても文句なしの成績ですが、ひいき目を抜きにしても、シーガーのインパクトには少しばかり及ばない印象が残ってしまうのも事実です。
日本人メジャーでは、過去に野茂、佐々木、イチローが新人王を獲得していますが、日本での「プロ経験」の詳細が知られれば知られるほど「足かせ」になっているのも事実です。だからといって、前田が残した成績が色あせるものでもありません。メジャー特有の滑るボールや固いマウンドだけでなく、文化の違いにも対応しつつ、なお結果を残すことは決して簡単ではありません。それほど、「新人」「1年目」は、特別なシーズンと言っていいでしょう。
結果を残して当然と言われた中での16勝。公式タイトルこそ逃しましたが、前田の並外れた順応力は、新人王をしのぐほど、特別な「賞」に値するような気がします。
【四竈衛】(ニッカンスポーツ・コム/MLBコラム「メジャー徒然日記」)



