いよいよ始まったMLBのスプリング・トレーニング。ヤンキースでは早々に田中将大投手が3年連続で開幕投手を務めることが発表された。昨年チームトップの14勝を挙げ、防御率もリーグ3位だった田中がこの大きな役割を担うことに地元メディアなども「驚きはない」と報じている。

 対して、ヤンキースにとっての一抹の不安として挙げられたのが首脳陣の契約についてだ。ジョー・ジラルディ監督は2013年シーズン後に4年1600万ドルの契約を結んだが、今シーズン後にこの契約が切れるのである。先が見通せない中でシーズンを指揮することがレームダック化、死に体化するのでは、というのだ。

 しかしこの件に関して本人、さらにハル・スタインブレナー・オーナーは問題ないと語ったと、相次いで報道されている。まず踏まえなければならないのはヤンキースは伝統的に、監督やGMについて契約が終了するか終了する寸前にならないと更新をしないという方針をとってきたことだ。実際ジラルディ監督も2013年シーズンは更新をしない状態で指揮をとっている。

 そのため15日付のニューヨーク・ポスト電子版はジラルディ監督が「本当に影響はない。同じやり方で自分の仕事をするつもりだ。自分の信じている方法が正しいやり方だ。交渉しようとは思っていない。覚えている限り、シーズン中に監督と更新していない。だから自分の仕事をし、何が起ころうと見続けるつもりだ。やるだけだ」と語ったとした。

 さらに2012年以降プレーオフに進出できていないことに対しても「異なったことをしようとは思わない。たぶんそういうわけで(契約の状況について)考えていない」とブレがないことを強調したということだ。

 対してやはり15日付のデイリー・ニューズ電子版は、スタイブレナー・オーナーが記者団に対し「我々はジョーが好きだ。ジョーは契約をしてこの組織で働く多くの人々の一人だ。そして自分は彼ら全てを同じに扱う。契約が終了に近づくか終了するまでは交渉はしない」と明言したと伝えている。

 双方納得のうえ、ということでひとまず不安はぬぐわれた状況ではあるが、ヤンキースがプレーオフに進出できなければ厳しいことになるのは明白といえそうだ。それだけにこのスプリング・トレーニングは重要である。