【インディアナポリス(米インディアナ州)10日(日本時間11日)=大塚仁、佐藤直子通信員】4日間のウインターミーティングが終了し、ヤンキースのブライアン・キャッシュマンGM(42)が、FAとなっている松井秀喜外野手(35)の残留交渉を慎重に継続していく方針を示した。DH補強の優先順位が低いため松井との本格的な交渉には至っていないが、今後、代理人アーン・テレム氏(55)との接触を続けて交渉を詰めていく構えを見せた。

 タフな残留交渉はこれから本番を迎える。充実のウインターミーティングを終えたキャッシュマンGMは「グランダーソンの獲得で松井に対する関心は変わったか」という問いに「そうとは限らない。グランダーソンは中堅手でポジションが違う。FA市場にはかかわり続ける。それには松井も含まれている」と話した。さらに「興味があり、我々は必要としているから話し合いを続ける」とも続けた。厳しい予算、低い優先順位など苦しい状況の中で、交渉はじっくりと進められる。

 松井をDH専任とするヤ軍の方針は依然として揺らがない。予算の制限があるためDHにそれほど資金を割けない状況にも変わりはない。同GMは「我々は予算とともに動いている。彼が(予算の中で)フィットするか否かは分からない。話し合いを続けるだけ。期限を設けずに交渉し、意味のある決断をしたい」と長期的な視野を強調した。すでに来季目標とする総年俸を258万ドル(約2億1930万円)オーバーしている。先発投手などに比べDHは市場に多いことから、慎重に相場を見定め、資金を抑えながら今季年俸1300万ドル(約11億500万円)の松井との交渉を進めようとする狙いも見え隠れする。

 ウインターミーティング2日目に同GMと会談を持った代理人のテレム氏は、週明けから再び接触を重ねていくことを示唆した。会談では条件提示などの本格交渉には至っておらず、今後の方針を確認した程度とみられる。「松井が我々の条件でいいのかどうかは分からない」と語る同GMに対し、テレム氏は「何球団と話しているかは言えない。それが私のポリシー」と沈黙を貫いている。いわば試合序盤に双方がジャブの応酬を繰り返している段階。移籍市場の本格化を告げるウインターミーティングは終わったが、ヤ軍と松井サイドのにらみ合いはまだまだ続きそうだ。