ヤクルトからFAになっている五十嵐亮太投手(30)が16日、移籍先をメッツに絞り最終交渉に入ったことが分かった。地元紙ニューヨーク・タイムズ電子版が「2年契約でサインに近づいている」と報じ、代理人アーン・テレム氏(55)も「メッツとは本格的な話し合いをしているところ」と交渉が大詰めに入ったことを認めた。渡米しアリゾナ州で自主トレ中だった五十嵐はこの日、練習施設に顔を見せず「雲隠れ」。入団会見に備えてニューヨークに飛んだ可能性があり、「メッツ五十嵐」誕生が秒読みに入った。

 五十嵐の意中球団は、最多10人の日本人メジャーが在籍したメッツだった。13日に成田空港で取材に応じた際、報道で具体名の出ていたパイレーツ、オリオールズ、ジャイアンツの他にも、「何となく希望しているところからも来ています」とうれしそうに話し、相思相愛の存在を明かしていた。

 五十嵐とメ軍の本格交渉を報じたのは、地元紙ニューヨーク・タイムズ電子版。同交渉に携わる人物の情報として「サイン間近」とし、代理人テレム氏からはメールで「われわれはメッツと本格的な話し合いに入っており、それ以上はコメントできない」との談話を伝えた。またAP通信もこの日、「2年契約で成立間近」と配信した。

 メ軍は今季、新球場オープンという門出の年だったが、5年ぶりの負け越しでナ・リーグ東地区4位と大きく期待を裏切った。オフには大量12人がFAになり、投打とも再建の真っ最中。守護神ロドリゲスにつなぐ右のセットアッパーも不在で、五十嵐の獲得調査を進めていた。メッツ大慈弥スカウトが高校時代(敬愛学園)から熱心に視察していた縁もあり、五十嵐も「スカウトの方が足を運んでくれていた環境があったから、いつかメジャーに行けるのでは、という気持ちがあった」とメ軍には好印象を抱いていた。メ軍は懸案の先発投手、左翼手の争奪戦では出遅れ、ここまで補強と呼べるのは控え要員の捕手2人だけ。五十嵐獲得となれば、今後の補強にも弾みがつく。

 五十嵐は13日(日本時間14日)にアリゾナ州フェニックスに入り、14日(同15日)からレッドソックス松坂と合同自主トレを始めたばかり。だが自主トレ2日目のこの日は練習施設に姿を見せなかった。手術歴のある右ひじを含めた身体検査、同検査クリア後の正式サインに備えてメ軍の本拠地ニューヨークに向かったものとみられる。地元では松井のヤンキース退団を惜しまれているが、代わって日本を代表する剛腕が移籍。越年も覚悟していた五十嵐だが、順調ならクリスマス前に入団発表の運びとなりそうだ。