ヤンキース・イチロー外野手(39)が23日、故郷の愛知・豊山町で自身が大会長を務める少年野球大会「イチロー杯」の表彰式に参加した。<その他イチローあいさつ>

 みんなくらいの野球選手によくどうやったら野球が上手になりますか、どうやったら強くなりますかとよく聞かれます。その時に僕が答えることは、野球の技術を磨くこと、野球が上手になることというのは実はそんなに難しいことではない。それは毎日努力すれば、野球の技術は上がっていくと僕は思います。

 ただ、難しいことはそれだけでは強くはならない。うまくなるだけ。バッターボックスで、マウンドで、守備でみんなを応援してくれるけど、そこは1人で頑張らなければいけないということをみんな感じてるはず。誰も助けてはくれない。

 そのときにその場面で受けているプレッシャーから逃げようとするのか。それともそのプレッシャーを受けて、その上で打席に立つのか。マウンドに立つのか。守備をするのか。このことはすごく大きな意味を持っている。そこでもし失敗してしまっても、次に進もうという気持ちが芽生えると僕は思います。僕はそうやってこれまで長い間プロ野球の世界でやってきた。

 そこで逃げてしまって出した結果と、向かっていって出した結果。これは同じ成功であっても失敗であっても、その後に大きな違いが生まれるもの、と僕は考えている。やはり困難なこと、難しいことに自分から立ち向かっていく。この姿勢があれば、僕は野球がもちろんうまくなるし、強くなっていくんじゃないかと思います。