開幕戦対策は万全だ。DeNAは、05年の実数発表以来オープン戦最多となる2万4829人を動員した。開門時間も予定を15分早め、外野は立ち見客で埋まった。その中で、巨人から移籍したホセ・ロペス内野手(31)がオープン戦1号を含む3安打2打点と暴れた。27日の巨人との開幕戦(東京ドーム)へ向け、大観衆も敵を知る主軸の状態も上向きで、予行演習は完璧だ。

 開門と同時に一塁側ベンチ上の客席にファンが殺到した。オープン戦はバックネット裏の年間指定席以外は自由席だからだ。この勢いを中畑清監督(61)は肌で感じていた。「ファンが熱い空気を送ってくれている。スタンドの熱を感じる。期待感の表れだと思う」と、しっかりとファンの思いを受け止めた。

 DeNA元年の12年の最多は1万959人だったから、3年で徐々に増え、ついに2・5倍増だ。昨年の公式戦も発足時と比べて約4割増。今季の前売りも昨年比1・5倍増で推移しており、特に31日からの広島戦や週末を中心に好調な売れ行きを示している。この環境を中畑監督は「人の目があるのはでかい。特に若いヤツには大きい。(東京)ドームに行って圧倒されずに済む」と、予行演習としての効果も認めた。

 そんな中で前巨人のロペスが好調だ。練習試合ではすでに3本塁打を放っていたが、6回に藤浪の内角寄り142キロ直球を左翼席中段へオープン戦初アーチをかけた。「いい感触だった。横浜のファンもいっぱいで声援が力になった。本塁打も打点もどちらも大切。ホームランを打てば打点が入るからね」と頼もしい。

 中畑監督の期待もチャンスでの打撃だ。「ここで打ってくれというところで打つよね。格好いい。4番と5番で得点圏打率を争うんじゃないか」と予想する。昨年は筒香が12球団トップの4割1分6厘を残した。5番に入るロペスがオープン戦7打点でチーム単独トップに立った。この2人が絡めば、開幕巨人戦も期待が膨らむ。【矢後洋一】