前日17日に発熱のため練習を休んだ日本ハム大谷翔平投手(20)が18日、一夜明け、チームに再合流した。ブルペンで捕手を立たせたまま50球を投げて状態を確認。栗山英樹監督(53)は、登板予定だった明日20日巨人戦(東京ドーム)を回避し、21日同戦(同)に回すことを決めた。27日開幕戦(対楽天、札幌ドーム)までは中5日と間隔が詰まるが、イニング数を減らして対応する。不振によりこの日の広島戦(札幌ドーム)登板予定を変更したばかり。開幕マウンドが近づく中、相次ぐプラン変更に見舞われた。

 試合前練習が始まると、栗山監督はブルペンに駆け込んだ。前日17日に38度の熱を出した、病み上がりの大谷が投じる50球に、視線を集中させた。捕手を立たせたままの、いわゆる「立ち投げ」。大谷は「(休んだのが)1日だけだったので、普通に良かった」と納得したが、首脳陣は大事を取って、明日20日巨人戦(東京ドーム)の登板予定を、翌21日同戦(同)にずらすことに決めた。20日の先発は、新外国人のビクター・ガラテ投手(30=台湾・義大)が代役を務める。

 2度目のプラン修正となる。もともとはこの日の広島戦(札幌ドーム)でマウンドに上がる予定だった。だが今月に入り、3日巨人戦(4回4失点)、11日DeNA戦(4回5失点)と続けて打ち込まれ、厚沢、黒木両投手コーチと“面談”。調整期間をじっくりと取るため、登板予定を変えたところだった。

 最終登板が21日になったことで、27日の開幕戦(対楽天、札幌ドーム)までは中5日と登板間隔が詰まるが、栗山監督は「若さ抜群なので。全然大丈夫でしょ」。3イニング程度の短い登板予定であることと、合間の野手出場がないことで、クリアできると見込んでいる。大谷も「問題になるような感じではないです」と、影響がないことを強調した。

 初の大役を目前に、予期せぬアクシデントに見舞われたが、開幕直前ではなかったことが不幸中の幸い。「この時期に12球団の開幕投手で、熱を出してる投手がいるか? 昨年、一昨年を見ても」と、体調管理の甘さには苦言を呈した同監督も、実際に投げている球を見て「この前よりいい」と胸をなで下ろした。

 引き分けに終わった広島戦(札幌ドーム)を観戦し、中村、上沢と談笑しながら元気に球場を後にした大谷。「(風邪は)だいたい1年に1回くらいはあるかなと思います。(食事も)普通に食べていたので、大丈夫です」。まさかの2戦連続乱調も、思わぬ発熱も、すべては開幕前で良かった。【本間翼】

<パ開幕投手候補現状>

 ◆ソフトバンク摂津 工藤監督から宮崎キャンプを打ち上げた2月26日に開幕投手に指名された。オープン戦では3試合に登板し、11回を1失点(自責1)と安定。不安なく4年連続で開幕のマウンドに上がる。

 ◆オリックス金子 専門の理学療法士のもとで昨年11月に手術した右肘のリハビリを進めるため11日にチームを一時離脱。右肘の状態や首脳陣との話し合いなど総合的に判断し、20日からの阪神3連戦(京セラドーム大阪)で復帰登板する可能性がある。

 ◆ロッテ涌井 2月27日に伊東監督が抜てきを決定。西武時代の08年から5年連続で開幕投手を務めた経験があるが、移籍2年目で先陣を切ることになった。11日のオープン戦中日戦では5回3安打1失点と手応えをつかんだ。

 ◆西武岸 2月1日のキャンプイン時に田辺監督が通達し早々に内定したが、練習開始10分で背筋を痛めて離脱した。当初は別メニュー調整が続いたが回復。14日のオープン戦巨人戦で6回1失点(自責1)と順調に調整を重ねている。

 ◆楽天則本 14日のオープン戦ヤクルト戦に登板後、右肘に張りを感じ、16日に関東の病院で検査を受けたが、異常は見られなかった。大久保監督から17日に開幕投手を伝えられ、3年連続の大役を務めることに。