開幕ダッシュを狙う日本ハムの先発構想が固まった。27日からの札幌ドームの楽天との開幕3連戦を大谷-武田勝-浦野の順に、先発の座を託すことが18日、濃厚になった。この日の広島戦で浦野博司投手(25)が3回1安打無失点、武田勝投手(36)が1回をわずか8球で無安打無失点。ともに好調な仕上がりをアピールし、本拠地での試運転を完了した。ペナント奪還への推進力にしたい重要なカードへ、信頼の3枚を投入して臨む公算が大きくなった。

 ベンチで両腕、時に足を組んで、じっと見つめていた。栗山監督の視線の先に、期待が詰まっていた。最初にマウンドに上がった浦野が完璧な内容。わずか42球。2三振も奪い、最速も148キロ。キャンプ中に右太もも内側の張りで一時離脱したが、不安を一掃する盤石さだった。武田勝もゴロアウト3つと真骨頂。上位打線を8球で手玉に取り、完全復活にかけるシーズンへのデモンストレーションを終えた。

 先発候補が高いレベルで争ってきただけに、慎重に結論を出すもよう。浦野は実戦4試合、12回を防御率2・25。武田勝は同6試合、19回で防御率0・95と文句なしの結果で応えた。栗山監督は「開幕しても(先発編成を)考えているかもしれない」と苦悩し、勝負手を決定するつもり。勢いをつけたい、札幌ドームの幕開けの3試合。右-左-右の順で、タイプの違う3人は、チーム戦略上も魅力だ。大谷の後を受けるベテラン左腕、進境著しい2年目右腕で、勝負の1年の反攻のパワーを注入する。