2人のエースを見習う。今日31日のDeNA戦(横浜)に先発する広島大瀬良大地投手(23)は「その日のベスト」を尽くす。黒田流ツーシームで打者を翻弄(ほんろう)し、チームを3連勝に導くつもりだ。さらに黒田と勝負する安打数でも負けていられない!? とにもかくにも2年目のシーズンは出だしが肝心。大瀬良がいよいよ出陣する。

 エース前田、黒田の投球を見て、大瀬良には感じるものがあった。共通するのは「その日のベストピッチ」だ。長いシーズンにおいて、毎日100%の状態は難しい。2人のエースは、そこが頭抜けていた。3本柱の一角として、大瀬良は自分に言い聞かせるように話し始めた。出陣は今日31日のDeNA戦だ。

 「マエケンさんも黒田さんも、本調子ではなかったと思う。でも、その日のベストの投球をされる。すごいと感じた。厳しい戦いに勝っていけるようになりたいと思います」

 いい風は吹いている。横浜スタジアムは昨年9月6日にプロ初完封をマークした縁起のいい場所。「イメージはすごくいい。その形のまま入れればいい」と腕を回す。DeNA打線についても「中軸に気をつけながら。最初に抑えれば印象もよくなる」。調子の波は小さくなり、着実に進化している。チームを3連勝に導いてくれるはずだ。

 もう1つ、絶対に負けられない戦いがある。黒田と勝負している安打数だ。黒田は前日29日に今季初安打となる二塁打を放った。その瞬間、喜びながらも「僕的には、うわー打っちゃったって感じでした」と言う。昨季は打率9分4厘。「バントは絶対決めないといけませんし、1割ちょっとは打ちたい」と本気だ。開幕3連戦では先発投手3人がいずれも安打を放った。これにも続く!?

 2人のエースから教わったツーシームも、右左にかかわらず使っていく。話題の「フロントドア」、「バックドア」については「そこまではまだ僕には難しいです。僕なりのツーシームの使い方でやっていきたい」と笑った。マツダスタジアムでの指名練習ではショートダッシュや強めのキャッチボールで最終調整を終えた。前田、黒田だけではない。大瀬良の軌跡も見逃せない!【池本泰尚】