1勝6敗? そんなの関係ねえ! 中日打線が昨季は苦手とした巨人大竹にかみついた。序盤に7安打を集中して4点を奪取。3回途中で引きずり下ろし、吉見を力強く援護した。

 大竹には昨年1勝6敗。気合が違った。先頭大島が三塁打。そして「2番二塁」で2度目のプロ先発出場となった亀沢恭平内野手(26)が初球の139キロをうまく三遊間に転がした。先制の適時打。3月29日の阪神戦ではプロ初出場でいきなり4安打。そしてこの日はプロ初打点と、さらに初盗塁も決め、勢いは本物だ。

 「大島さんが打ったので、昨日の勢いのままに点を取りたかった」と亀沢。吉見を後押しするため、試合前に大島がナインに声掛けをした。谷繁兼任監督は、まだ今季、初回先頭で出塁していない大島に「そんな1番打者いないぞ」とハッパ。大島は「今日は出ます」と呼応していた。指揮官も「有言実行」とうなずく速攻を実現させた。

 2回は敵失、3回はエルナンデスの右前打と藤井の犠飛、4回はルナの左前打で吉見に4点をプレゼント。7回には松井雅の走者一掃二塁打などで4点を加えワンサイド。吉見をマスク越しに引っ張ってきた松井雅は開幕から14打数目でようやく初安打。吉見の復活を全員で後押しした最高の試合に、ナインの笑顔も満開だった。【柏原誠】