ヤクルト小川泰弘投手が、6回まで完全投球の好投で今季2勝目をマークした。

 試合後、ヒーローインタビューで打の殊勲、雄平と並んだ小川が胸を張った。最後こそちょっぴり息切れして2番手の救援を仰いだが、9回途中3安打1失点、7奪三振の力投だった。「最後まで攻める気持ちを持って投げていたのが良かった」。伸びのある直球を内外角低めにビシビシ決めて、相手につけいるスキを与えない。7回1死まで打者19人にパーフェクト投球だった。

 「完全試合」の快投にスタンドも気がつきはじめていたが、そんな矢先、神宮が大きなため息に変わった。7回1死、小川がDeNA白崎に投じた4球目だ。高めに浮いた直球を捉えた打球が、右翼田中浩と中堅雄平の間に落ちた。センターのスコアボートに「H」ランプが点灯した。これがこの日初めて小川が許した安打と走者だった。

 投げるだけじゃない。「昨日の夜からイメージしていました」と自身もタイムリーを放つなどバットでも貢献した。

 「チームとしての優勝が大前提。そのために、ケガをせず最後までフル回転したい」。大記録こそ逃したものの、開幕投手を務めた男が頼もしいコメントで締めくくり、チームに今季初の単独首位をもたらした。