伝説を築き上げたOBが、阪神球団創設80周年のメモリアルイヤーVへ、エールを送った。85年4月17日に誕生した「バックスクリーン3連発」から30年となった17日、ランディ・バース氏(61)、掛布雅之氏(59=阪神DC)、岡田彰布氏(57=野球解説者)の3人が甲子園に集結。今季、新伝説をつくりあげることを期待した。

 伝説がよみがえった。あれから30年。阪神が史上唯一の日本一に輝いた85年4月17日。伝説の「バックスクリーン3連発」をつくりあげたバース、掛布、岡田の3氏が甲子園球場でそろい踏みした。試合前に当時のVTRが流され、電光掲示板には当日の阪神巨人両軍のスタメンも表示される趣向も。さらに3人が並んで投げる始球式も行われ、ファンは大きな拍手を送った。

 15日に来日したバース氏は「気持ちがよかった。3人一緒はめずらしい。声援も聞こえて楽しかったね」と笑顔。苦戦が続くチームに「8月の長い遠征で踏ん張れないとダメ。最後の踏ん張りをきちんとやらないといけない」と指摘した。

 現在、指導者でもある掛布DCは冷静な様子だ。「あれ以来というのが運命を感じるね。でも本当はここまで注目されちゃいけない。今年あたり和田阪神が次の新しい伝説をつくってくれると思う。日本一になれば我々の3連発はお蔵入りするよ」と話した。

 30年前に3発目を放った岡田氏も「30年は早いな。久しぶりで3人でこのユニホームを着て、この背番号をつけたのは感激。毎年どこかであの映像が流れるしな」と感慨深そう。今季について「振り返れるペナントレースにしなあかん。どこかにきっかけがあるはず」とエールを送った。

 4月17日に甲子園で阪神巨人戦が開催されるのは伝説の3連発が出た85年以来、30年ぶり。記念の日に、創設80周年企画の「レジェンズデー」第1弾として開催された。【編集委員・高原寿夫】

 ◆85年の阪神 吉田義男監督が2度目の就任。岡田を二塁に、真弓を右翼に、2年目の中西を抑えに、と大胆な改革を断行した。シーズン開幕の広島戦こそサヨナラ負けしたものの、4月を9勝3敗1分けで1位と滑り出した。同月17日巨人戦(甲子園)では、バース、掛布、岡田がバックスクリーンに3者連続本塁打し、チームは波に乗った。その後、前年の覇者広島とのつばぜり合いを展開。8月27日の直接対決(甲子園)に勝ち首位に立つと、一気に抜け出し独走態勢に。10月16日ヤクルト戦(神宮)を5-5で引き分け、21年ぶりのリーグ優勝を果たした。