阪神和田豊監督(52)が開幕から本来の打撃ができていないマット・マートン外野手(33)の打順変更を示唆した。DeNA戦に備えて甲子園で指名練習を行い、横浜へ向かった。指揮官はマートンの打順変更について問われると「打順は変わるものだと思っておいてくれ」とだけ話した。昨季からゴメスの後を打つポイントゲッターにマートンを据えて「GM砲」を形成してきたが、このままなら6番福留と入れ替える可能性も否定できない。

 マートンは開幕から20試合で打率2割1分8厘、本塁打なし、6打点。前日までの巨人3連戦では9打数無安打で、カード負け越しの要因の1つにもなっていた。チームも借金4と低迷し、5番打者の打撃が戻らなければ苦しいと、指揮官は考えているようだ。

 もちろん、実績十分な打者だけに少しのきっかけで浮上する可能性はある。今日対戦するDeNAの先発は昨季対戦打率3割8分5厘の久保だ。また、今季は岩田が先発した3試合で打率4割1分7厘と相性もいい。

 「悪い投手を探すのが難しい。本来、苦手な投手をつくらないタイプなんだけどね。相性がいいなら、きっかけにしてくれれば」

 和田監督はデータを聞くと、こう語った。開幕からマートンの爆発をひたすら待っている指揮官もきっかけになることを期待している。それでも、このままズルズルと借金を増やしていきかねない現状に、クリーンアップ改造という手段に出るかもしれない。

 「シンプルに、毎試合、自分ができることでベストを尽くしていくよ」

 マートンは横浜へ向かう直前、こう言い残した。猛虎最強助っ人としてチームを救ってきた男の状態が今後のカギを握っている。【鈴木忠平】