DeNA中畑清監督(61)が、通算200勝を破竹の本拠地9連勝で飾った。ロペスが4回に7号2ラン、6回にも左前適時打と、2本の同点打で勝負強さを発揮。7回には石川が勝ち越しの1号2ランを放った。最後はエレラ、山崎康とつなぐ鉄板リレーで、07年5月以来の横浜スタジアム9連勝。先制され、再びリードされても追いつく粘り腰で、貯金も99年10月11日以来の「8」に伸ばした。

 天敵が相手でも負けるムードがない。中日山井には13年6月28日にノーヒットノーランを喫して以来6連敗中と苦手にしていたが、中畑監督は不思議と楽観的だった。「山井でも行けそうな空気がベンチに充満しているのよ。そのパワーがグラウンドにも伝わるんだね」と、勢いを感じ取っていた。

 2点の先行を許して迎えた4回、ロペスがバックスクリーンに同点7号2ランを運んだ。1点ビハインドとなった6回にも、再びロペスが2死一、三塁から左前に同点適時打。さらに7回には石川が右翼席へ今季1号の勝ち越し2ランを突き刺した。石川は「夢を見たんです。ホームランを打つ。ウソです」とちゃかしたが、あながち冗談でもない。「練習の時から感じが良かったんですよ」と明かした。

 実は中畑監督も予感していた。「何かタケ(石川)が打ってくれそうな気がしていたら本当に打ったんだよ。メッチャうれしい」と何度も言った。このところ日替わりヒーローを当て続けている。巨人戦の8日(横浜)に逆転2点適時打を放った井手、同戦の10日(新潟)に決勝打を放った倉本…。さらには山井攻略も試合前に予告していた。「6連敗中? そろそろだよ。高木だってボチボチだって言っただろ」と、巨人高木勇の連勝を5で止めた10日の試合を引き合いに出していた。

 カンがさえ渡る。8回は田中ではなくエレラを送った。「外国人対外国人で燃えるだろう。オレの仕事だって。はまってくれた」。打つ手が面白いように決まった。7回に代打で送った荒波が8回にダメ押し二塁打。「やってて楽しいよ。みんなも声が出ているけど、オレも試合後は声がかれてる」と笑った。200勝のウイニングボールは山崎康からもらった。通過点と言い続けてきたが「うれしいよ。1勝、100勝と一緒に飾らせてもらう」と喜んだ。記録的快進撃が止まらない。【矢後洋一】

 ▼DeNAが23勝15敗で今季最多の貯金8。貯金8は99年以来になる。横浜スタジアムでは4月22日阪神戦から9連勝。同球場での9連勝は横浜時代の07年4月21日~5月12日以来8年ぶりで、球団最多の11連勝(06年)まであと2勝。DeNAは今月10試合で8勝目だが、勝利打点は梶谷2、関根、高城、ロペス、井手、倉本、石川と7人がマーク。日替わりヒーローが出る。