富士大が八戸学院大に逆転勝ちし、8勝1敗で最終日を待たず3季連続26度目の優勝を決めた。エース多和田真三郎(4年=中部商)が5安打1失点の好投。大学創立50周年に初の3連覇で花を添えた。富士大は全日本大学選手権(6月8日開幕、神宮球場ほか)に出場する。

 富士大が底力をみせた。八戸学院大の1年生左腕、高橋優貴(東海大菅生)に8回まで4安打0点に抑えられた。だが土壇場の9回に4安打を集中。楠研次郎(1年=東海大相模)が逆転打を放った。その裏、多和田が3人で仕留めた。

 多和田は今季負けなしの6勝目、リーグ通算32勝目を挙げた。6回に1失点したが、それまで昨秋から連続56イニング無失点。3回途中に「右肩に違和感を感じた」というが、その後は力を抜いて投球。要所を締めた。「今季は変化球も使い、的を絞らせない投球ができた」という。

 ルーキーで大活躍の楠は福島県楢葉町出身。中学2年の時、原発事故でいわき市に移った。昨夏甲子園に東海大相模の1番、左翼手で出場。盛岡大付の松本裕樹(ソフトバンク)から2安打を打ったが、3-4で惜敗した。「先輩がつくってくれたチャンス。真っすぐを逆らわず打てた」と声を弾ませた。

 富士大は昨年春秋の全国大会で初戦敗退。豊田圭史監督(31)は「多和田も大学最後の年。1つでも多く勝たせたい」と大黒柱に期待した。【北村宏平】