中日吉見一起投手(30)が、日本ハム戦に先発したものの、右肘張りのため3回無失点で降板した。谷繁兼任監督は「少し肘に張りがあったと。制球できていなかった」と説明。右肘は13年に手術を受けた箇所で、本格復帰した今年は細心の注意を払ってきただけに、今後の行方も不透明だ。

 突然の異変だった。2回まではスムーズに立ち上がり、3回も1死。だが9番大野には球を抑えられず、4連続ボール。安打、失策で1死満塁とされてからは田中を一ゴロ、中田は力を込めた内角139キロで空振り三振。何とか無失点で切り抜けたが、ベンチに戻ると降板が決まった。

 予告先発が発表されていた17日の阪神戦を「体調不良」を理由に回避。このときも右肘の張りがあったとみられる。22日巨人戦は7回2失点と問題なく投げきった。それから中7日と十分な間隔を空けていた。

 3回までに大谷から2得点していた。4回から急きょ継投策に入ったが、救援陣が逆転された。チームにとっても痛いアクシデントになった。吉見は7試合で3勝無敗、防御率0・84の安定感を誇りローテーションに欠かせない存在。試合後は「異変? まあそういうことです」とだけ話し、チームバスに乗り込んだ。

 チームはこの1週間で平田、ナニータ、谷繁と故障者が続出した。指揮官は「なにか連鎖反応的にいろいろ出てきましたね。そこに自分も入っているんですが…。ケガは仕方ない。1日でも早く治して戻ってほしい」と落ち着かないチーム状態を案じていた。【柏原誠】