大敗で、首位攻防3連戦の負け越しが決まった。日本ハムが、ライバルの首位ソフトバンクに痛恨の連敗を喫した。先発のベテラン武田勝投手(36)が1回に5失点するなど3回までに7失点の誤算。今季4度目の2ケタ失点で、力負けした。今季2度目の3連敗。捕手の近藤がコンディション不良で欠場するなど不安要素も浮上するなど、重苦しい黒星になった。

 横綱相撲で、押し切られた。無抵抗で、天王山3連戦の負け越しが確定した。栗山英樹監督(54)は、思案にふけりながら本音を吐いた。「何とかしないといけなかったんでね。誰が悪いということではなく、2つ負けたという現実をしっかり受け止めていかないといけない」。勢いに乗る鷹に、浮力を与えるような1勝をプレゼントした。前夜はサヨナラ負け、この日は大敗。首位で乗り込み足場を固めにいくはずが、敵地ファンの引き立て役に回った。1・5ゲーム差へ離された。

 立ち上がりに大勢は決まった。先発に立てた武田勝が1回に一挙5失点。5安打を集中されたが、うち4本が二塁打。パワーに圧倒され、のみ込まれた。3回には松田に逆方向の右中間へ1発。4番手の白村も4回だ。誘った高めの直球を、柳田に怪力で中堅左へ運ばれた。ホームランテラスへ2被弾。ベテラン左腕は「見ての通り。今の自分の実力」と、潔く戒めた。「気持ちが折れるわけにいかない」。そう奮い立たせたが、今日21日から2軍で再調整することになった。

 新たな不安要素が、くすぶり始めた。チームでただ1人の3割打者の近藤が欠場。前夜の9回にサヨナラ負けにつながる送球失策を犯し一夜明け、スタメンから姿を消した。当初は出場予定も、試合前に首脳陣が協議して回避した。シートノックも不参加で、何らかの異常があったようだ。打線はパワーダウン。3連戦ラストの今日の出場は、当日の様子を見て判断される。「考えすぎるくらい、考える。こういう負けをプラスに変えられないと」。栗山監督が知力を尽くし、停滞ムードの再建へ動く。【高山通史】