セットアッパーとストッパーで7失点という悲劇が起きた。中日が今季21度目の逆転負けで5位に転落。20歳若松駿太投手が好投したが2点リードの逃げ切りに入った8回に又吉克樹投手(24)が、9回に福谷浩司投手(24)が大炎上した。後に尾を引きそうな1敗になった。

 9回、福谷の速球をたたいた畠山の大飛球が中堅フェンスをたたいた瞬間、水が引くようにファンが出口に吸い込まれていった。17日ぶりのナゴヤドームでナインを待っていたのは2万5235人からの怒号と、ため息だった。祖父江が9回の11人目の打者を打ち取ると、すっかりダレていた一塁側スタンドから大きな拍手が起こった。

 3-1の8回。好投の若松に代わった2番手又吉が炎上。1死から山田にソロを浴び、三輪から四球をはさんで4連打で逆転を食らった。ベンチに戻った又吉はグラブをたたきつけた。

 1点ビハインドの9回、反撃体勢を整えるために投入された抑えの福谷も制球が定まらない。4失点で又吉に続いてイニング途中でタオルを投げ込まれた。祖父江も止められず、終盤2回で計10失点だ。

 谷繁兼任監督は怒りを抑え、淡々と説明した。「今年は又吉、福谷に任せる形でスタートした。彼らがどう打開していけるか。8回は何とか1人でと。そういう形を出さないと育っていかない」

 又吉は開幕から不振続きで5月中旬に2軍再調整。戻ってからは上昇気配でベンチも必勝パターン再構築を目指し、重責を任せてきた。だが試合後、首脳陣は再び2人の配置転換の検討に入った。

 8回の失点は40でイニング別最多。今後の戦い方を問われる1戦になった。【柏原誠】