邪気をはらい、清めたまえ! 故障者続きの楽天が、今日26日のソフトバンク戦前に本拠地コボスタ宮城でおはらいを行うことになった。5月から6月にかけて銀次、嶋、藤田ら7人がケガにより登録抹消。前日24日の練習中には平石打撃コーチの左側頭部に打球が直撃し、救急搬送された。不運が続くため、立花陽三球団社長(44)が宮城県護国神社から神職を呼ぶことを決めた。

 もう神にすがるしかなかった。24日の練習中、平石打撃コーチの頭部に打球が直撃。救急車がグラウンド内に入り、騒然とする中で立花球団社長が「やっぱりおはらいをしないとダメだ」とつぶやいた。呪われているかのように続く不運を、冗談だと笑い飛ばせなかった。

 約1週間前から決めていた。21日に藤田が登録抹消されると立花社長が「おはらい行ってきます」とツイート。球団設立から球場の改築などの際に地鎮などの神事をお願いしていた護国神社におはらいを頼んだ。年明けには球団職員らが興行の成功を願って参拝するが、球場で監督、コーチ、選手、フロントが参加しての祈願は初となる。

 厄払いも本格的なものになる。護国神社の関係者によると権禰宜(ごんねぎ)と呼ばれる神職が2人訪れ、午後2時から約20分を予定。「厄難消除・身体堅固祈願」と呼ばれる祈りをささげる。塩でグラウンドを清めた後に、榊(さかき)の木で神を呼ぶ。球団名などが入った祝詞を読み上げ、玉串をそなえて、けが人が多い厄を取り除くという。

 楽天は負傷者が続いているが、勝率は5割をキープ。泥沼化する前に、再スタートをさせたいという思いがある。大久保監督も「おはらいを通して、気持ちをリセットして戦っていけたら」と前を向いた。悪い流れはもうたくさん。厄をはらって、神がかりな強さを見せる。【島根純】

 ◆気になる料金 護国神社によると祈願などの出張祭典は一般的には3万円から5万円。参加人数などは関係なく、一律の値段となる。また祈りの効果はおおよそ1年。最低でも1年に1回行うことで、神様からの力が続く。年頭に祈りを行うことが多いが、祈りが直近であればあるほど、力強い加護をもらえるため参拝などは定期的に行うほうが良いという。

 ◆シーズン中のおはらい 98年7月4日、14連敗中のロッテは本拠地の千葉マリンに、千葉神社から神職を招いた。首脳陣、選手、フロントがおはらいを受けた。しかし、願いはむなしく4-7で敗戦。連敗は最終的にプロ野球記録の18まで伸びた。阪神は05年8月1日、選手のバットやグラブがおはらいを受け、同年は優勝。09年6月、85年の阪神優勝時に道頓堀川に投げ込まれ、24年ぶりに救出されたカーネル・サンダース人形がおはらいを受けたが、同年の阪神は4位に終わった。