プロ初先発の広島薮田和樹投手(22)が、巨人打線を5回2失点に抑えプロ初勝利を挙げた。

 広島新人の巨人戦初先発初勝利は11年の福井優也投手以来4人目。

 1回、長野に先頭打者本塁打を浴びるも、続く立岡を見逃し三振に取るなど崩れなかった。4番阿部には自己最速タイの153キロを計測するなど後続を断った。

 3回に同点に追い付かれるも、5回のピンチは力で切り抜けた。1死満塁から阿部を三邪飛に打ち取ると、続く亀井は二ゴロに仕留めた。いずれも真っすぐだった。バッテリーを組んだ会沢翼捕手は「あいつがギアを入れた。ピンチの場面でも気持ちが伝わってきた」と新人右腕の強さをたたえた。

 代打が送られ降板となった6回表に打線が勝ち越して、プロ初勝利を手にした。「今日のマウンドに上がるまでもいろいろな人に支えられて今がある。本当にいろんな方に支えられて感謝の気持ちでいっぱいです」。マウンド上では表情を変えなかった薮田が、ようやく笑顔を見せた。