巨人が中日と延長12回の末に引き分けた。順位は3位にとどまったが、4時間37分を戦った疲労感からか、足取りも口も重かった。原辰徳監督(56)は帽子をかぶり直し、表情を引き締めて報道陣の前へ現れた。「ピンチはあったけど見事だった」と投手陣をねぎらった後、3得点12残塁の攻撃陣に話が及ぶと「(あと1本が出ないのは)皆さんも思っているところでしょう。両軍とも4点目が遠かった」と、声のトーンを下げた。

 チャンスは作った。2番立岡が3安打に2四球と敵失を含め全6打席で出塁。クリーンアップは6度も得点圏に走者を置いた場面を迎えたが、坂本の適時打による1点のみだった。プロ初先発でアップアップだった中日鈴木から3得点では、物足りない。原監督は「もう、だって、そうそう変えようがないのもあるしね。中軸が上がってほしい」と奮起を望んだ。

 光明もあった。投手陣は3回以外は粘り強くゼロを並べた。打つ方では坂本が2併殺も「立ち姿が非常にいいと思う」と原監督。強振する姿に主将の気迫を感じ取った。「今こそ攻撃的にいって、打席の結果を問う」と呼びかけた。攻撃的にいかなければ状況は好転しない。貧打に陥っている苦境だからこそ、果敢にチャレンジする覚悟がほしい。【浜本卓也】