中日大野雄大投手(26)が、また阪神をなで切りにした。1失点完投で9勝目。勝ち星を2位に2差として独走態勢だ。阪神戦は今季4試合で3勝、防御率0・56というキラーぶり。大黒柱の活躍でチームは約1カ月ぶりの連勝を飾った。

 小雨が降り、蒸し暑かった甲子園。それでも1週間前に沖縄で投げていた大野は「あれよりマシでした」とサラリ。3回までに56球を要しながら137球で9回を投げ抜いた。4度目の完封は逃したが、完投5度もリーグトップ。谷繁元信兼任監督(44)は「もともとスタミナはある方。今年はメンタルも成長して、技術的にもレベルが上がった」と称賛した。

 甲子園ではプロ入り以来負けなし。マウンドの形質はあまり好きではないというが、京都出身の左腕は「なぜか相性がいいし、地元関西なので友人も見てくれている。ここで投げるのは気持ちいい」とプラス思考で臨んできた。幼少時から阪神ファンの大野にとっても“聖地”だ。阪神の甲子園連勝を9で止め「自分ががんばれば勝てると思っていた」と胸を張った。

 3年連続の2ケタ勝利にも王手をかけた。「中継ぎを休ませるのも自分の仕事。今年はチームを背負うと言ってきた。それが結果につながっている。夏に強いドラゴンズを見せたい」。最下位に沈む中日を力強く支え続ける。【柏原誠】