西武秋山翔吾外野手(27)の連続安打記録は「31試合」でストップし、36年ぶりの大記録達成はお預けとなった。

 個人記録こそしぼんだものの、チームの勝利がうれしかった。中村のサヨナラ3ランでサヨナラの生還を果たした秋山は、チームメートとともに歓喜の輪に加わった。

 9回までに安打は出なかった。それでも夢の続き? があった。1点リードで迎えた9回、楽天に追いつかれ、延長10回に第5打席が回ってきた。フルカウントから外角高めの直球。ボール球にバットは迷うことなく止まった。記録よりフォア・ザ・チームに徹し、チャンスメーク。安打ではなく四球を選んだ。その後、中村のサヨナラ弾を誘発し、チームの4連敗もストップさせた。

 試合後のインタビューで秋山は「球団記録を超えてからは、いつ止まってもおかしくないと思っていた。(連続試合安打が)30を超えて打ちたいなと思っていました。則本投手もいい球を投げていた。力が足りなかった」と話した。

 この日の打撃成績は、三振、右飛、遊飛、左飛、四球に終わり、4打数無安打だった。

 日本記録は1979年(昭54)に高橋慶彦(広島)が作った33試合連続安打。歴代2位は長池徳二の32試合連続安打で秋山の「31試合」は、野口二郎と並ぶ歴代3位タイ。左打者の記録では歴代1位だった。

 ちなみに米大リーグ記録はジョー・ディマジオ(ヤンキース)の56試合。

 ◆秋山翔吾(あきやま・しょうご)1988年(昭63)4月16日、神奈川県横須賀市生まれ。横浜創学館-八戸大。10年ドラフト3位で西武入団。11年には、球団の新人外野手として30年ぶりに開幕スタメンで起用され、チーム屈指の強肩と守備範囲の広さで110試合に出場。人気マンガ・天才バカボンのキャラクターに似ていることから「ウナギイヌ」と呼ばれることも。183センチ、85キロ。右投げ左打ち。血液型A。