猛抗議で連勝を呼び込んだ。楽天大久保博元監督(48)が審判団の判定をめぐり、退場ギリギリのせめぎ合いを展開した。「ベースが隠されて、足から入った。タックルでもないし、落球だと思う」。試合後の会見でまくし立てた。

 発端は7回のクロスプレーだった。1死一塁で後藤の右安打をオリックスT-岡田が後逸。これを受け、一塁走者のペーニャが一気に本塁を狙った。しかし「足がもつれた」と、三塁を回ったところで転倒。1回転し、再び走りだす。その間に中継プレーでボールは本塁へと戻ってくる。ペーニャがスライディングすると同時に、捕手伊藤が捕球したが、衝撃で白球はミットからこぼれた。

 判定はアウト。次の瞬間、大久保監督は思わずベンチを飛び出した。オリックスファンで埋め尽くされた球場から「引っ込め!」とのヤジが飛ばされたが、ひるまず、退場の目安となる5分手前となる約4分間、論理立てて確認した。

 大久保監督 アウトの後に失神して落としたと言われた。ならば外野手だったら捕球した後にフェンスにぶつかったらどうなの? と。そうしたら落球でセーフになると言った。おかしいでしょ。

 2-0と緊迫した展開で、追加点の有無は大きい。判定は覆らなかったが、ペーニャは「選手を守る立場でいる人の行動」と、闘将の行動に士気を高めた。勝利への執念はナインに波及した。この回2死三塁となり、藤田が「この1点を取るか、取らないかは大きい」と左前へはじき返し、貴重な追加点をもぎ取った。

 大久保監督は連勝を喜びながらも「審判の判断は納得する。でも後で誤審と言われることもある。日本もチャレンジ制をやった方がスッキリする」と話した。3位とは4ゲーム差。ワンプレーの重みが抗議に表れた。【島根純】