巨人が喫した21個もの三振は、球団創設81年目、1万2試合目にして最も多い記録となった。広島先発ジョンソンに対し、7回までに13三振。これで打ち止めとはいかなかった。大瀬良-ヒースの4イニングで、5連続を含む8三振を追加した。ここまで打線を寸断されれば、無失点リレーを食らうのも無理なかった。仕掛ける手だてがなく、原辰徳監督(57)も「11回までに、もう少し打線が何とかしないと。ランナーも出なかった。反省しなくてはいけない」とまとめるしかなかった。

 実力者に球威とコントロールを両立されれば、簡単には打てない。仕方ないと、割り切るわけにもいかない。7番に入った新外国人、アレックス・カステヤーノス外野手(29)の4三振は見逃せない。「インサイドを攻められた」と認めた通り、最後は全打席、内角でひねられた。追い込まれるとクローズドスタンスに放り込まれ、窮屈なスイングとボールの接点がない状態。同じ凡退を繰り返し、ファーム再調整が決まった。

 ここまで放った2安打は7月31日、来日初打席と2打席目のこと。ともに探りの外角球だった。翌日から徹底的に内角を突かれ、日本野球の洗礼をもろに受けている。「自分らしくできていない。日本の生活にも慣れないと。試合勘を取り戻さないと」。貧打解消の切り札として加入した助っ人への期待値は高い。幸いにも、この日1軍練習に合流したアンダーソンは好調だ。記録的三振の象徴としてあらわになったウイークポイントを修正し、大勝負の時期に戻ってくる。【宮下敬至】

 ▼巨人は9回まで16三振、延長12回で21三振を喫して完封負け。1試合最多三振のプロ野球記録は9回までの個数となるため、95年4月21日ロッテ、05年4月6日中日、06年6月18日中日の19三振。延長戦は参考記録扱いで、過去に延長戦では38年9月16日巨人がイーグルス戦(延長14回=9回まで13三振)93年7月6日ヤクルトが中日戦(延長12回=9回まで16三振)95年4月21日ロッテがオリックス戦(延長10回=9回まで19三振)で記録した20三振が最多。延長戦でも21三振は初めてになる。38年巨人は14回完投の亀田に20三振を喫したが、この日はジョンソン、大瀬良、ヒースの3人に21三振を奪われた。