カニが4番の穴を埋めた! 今季初めて内川が欠場しながらもソフトバンク打線が13安打12点と爆発しオリックスに快勝。マジックを32とした。

 前日12日に今季初昇格した第6の助っ人バーバロ・カニザレス内野手(35)が来日初アーチだ。2回、外角直球を左翼席へ大きなアーチを描いた。「当たった瞬間、完璧でした」。6回にも左前適時打を放ち2打点。7番指名打者で今季初スタメンで起用した工藤監督の期待に応えた。

 昨季出場は8試合。2年目の今季も李大浩、サファテ、スタンリッジ、バンデンハーク、バリオス。誰もが活躍し、外国人枠の壁が立ちはだかった。それでも「相手投手のことや日本野球に慣れたこと。昨年の経験が生きている」と、今季は2軍で77試合に出場。打率3割1分2厘、14本、44打点。本塁打と打点はウエスタン・リーグトップだ。

 キューバ出身でメジャー経験もある。それでも「ホークスと契約してもらって、期待に応えたかった。チーム状況も外国人枠も十分理解している」と、腐らず若手と一緒に汗だくになりながらバットを振り続けた35歳にようやくチャンスがめぐってきた。

 1カ月前から予定していた姉2人とめい、おいがキューバから来日。ヤフオクドームで勇姿を見せた。「これは偶然だよ。本塁打のボールは自分の家に飾るよ」。米国、メキシコなどさまざまな国で刻んだ初安打、初本塁打のボールと一緒に、この日のボールも並ぶ。来日時には、カニやエビが苦手の甲殻類アレルギーということで話題になったカニちゃんが、しっかりチームの戦力として貢献した。この分厚すぎる選手層。鷹の強さをまざまざと見せつけた。【石橋隆雄】

 ◆バーバロ・カニザレス 1979年11月21日、キューバ・ハバナ出身。国内リーグでは、通算660試合で打率2割9分8厘、52本塁打。04年に亡命。06年にブレーブスと契約し、09年にメジャーデビュー。13年オフ、ソフトバンク入り。昨季は8試合13打数4安打、2打点。190センチ、109キロ。右投げ右打ち。推定年俸4500万円。